2017年02月01日

2月の言葉!「アメリカファースト」

「アメリカファースト」

 2017年1月20日、世界は息を飲んでこの日を迎えました。第45代アメリカ大統領にトランプ氏が就任した日です。それから未だ10日程しかたっていませんが、矢継ぎ早に公約に掲げていた、一見ムチャクチャな政策を大統領令として署名しています。
 あまりにも型破り常識はずれな政策、方針の数々です。閣僚人事についても人種差別主義者、対中強硬派の元軍人や大企業の経営者が多く、バランス感覚を重視してきた今までの人事とは全く違う、トランプ氏の好き嫌いがはっきり出ている陣容となっています。
 政策的にもこの人事から見て推測できる通り、オバマ大統領の進めてきたTPPは離脱へ、医療保険制度や同性婚解禁などは逆戻りするでしょうし、経済的にもアメリカ以外へ工場を建設する等の投資についてアメリカへ輸出する際には高い関税をかけ、自国の経済を守るという方針を徹底してゆくでしょう。日本も例外ではありません。  
 特に自動車は散々です。日本の車は性能が良く、故障しない製品の力で米国内での販売も好調なことを逆恨みして、罰課金的なものをかけてくるか、アメリカ製の車を無理に日本に押し込んでくるか、いずれにしても厳しい二国間交渉が待っているでしょう。不法移民を排除し、メキシコ国境に壁を作るという奇想天外なことを本氣で考えている大統領の出現です。

 今、世界を覆いかけている暗雲は、何もアメリカだけではなくて、ヨーロッパやアジアにも広がりつつあります。それはポピュリズムという黒い雲です。ポピュリズムとは本来、民主主義のあるべき姿でした。一般大衆の利益や権利を守り、大衆の支持を基盤とする政治運動でした。
 しかし、最近ではだんだんと変節してきているように思います。ここ数年特にそれを感じます。例えばイギリスのEU離脱の国民投票。本来EUを離脱すればイギリスの持つポテンシャルがそがれるのに、国民はEUに対する上納金や難民の受け入れが嫌で、離脱の道を選びました。その後、冷静にイギリス国民が将来を見た時、これはマズイと大多数の国民が思ったでしょうが後の祭りです。イギリスはEU離脱の道を突き進んでいます。短期的な利益にあまりにも目を向けるポピュリズムです。

 アメリカファースト、イギリスファースト、東京ファースト、最近よく耳にする言葉です。アメリカだけが一番、イギリスだけにとって一番いい事を、東京都民だけに一番メリットがあるように政治が動くという事です。
 非常にみかけは、よく聞こえます。しかし、アメリカファーストとは世界のためにではなく、アメリカのために政治を行うという事です。アメリカの雇用を創出し、失業率を低減するために輸入を制限し、国内に投資を持ってくる企業は優遇し、そうでない企業には揺さぶりをかける。アメリカの今まで持っていた世界の警察官の役割を経済負担の面から放棄し、多額の負担を各国に負わせようとしたり、財政的な手当を求めることなどです。

 しかし自国だけがよくなる、自分の街だけがよくなる、自分の会社だけがよくなる、自分の家庭だけがよくなる。そんな政治が、そんな世の中が永続きするでしょうか。一瞬そんな時が来るかもしれません。しかし世界がよくなり、自国もよくなるのです。日本がよくなり、自分の街もよくなるのです。他の会社や他の家庭もよくなることにより、自社や自分の家庭もよくなるのです。
 今や地球は一つの家族であり、複雑に絡み合い、一国だけで、一つの街だけで、一つの会社だけで、一つの家庭だけで生きていくことはできませんし、豊かに幸せになることはできません。また、他の国や会社や街や家庭を踏み台にし、犠牲にして富を得、繁栄してもそれは真の繁栄でも幸福でもありません。
 事実、今後メキシコから安い車を輸入しないアメリカ人は、自国で生産した高い車を買わされるのですから不利益はアメリカ国民に負わされます。
 いまや国際分業の時代です。様々な国が自国の一番の能力を出し合い、世界に貢献する。一国は他国のために、自社は他社のために、わが家はお隣のために尽くしていく、この御礼やお返しに富や幸せがもたらされます。
 富や幸せが自国に自分の家の中にあるのではありません。富や幸福は他国に、他人の中にあります。そしてその富や幸福はいかに他国を富ませ、幸せにしたかによって自国にもたらせるものだと思います。
 企業の損益計算書がそうです。「売上とは自社が人のためにしてさし上げた金額のトータル」です。「仕入とか経費は、他社が自社のためにしてくれた金額のトータル」です。  
 利益は売上が仕入や経費を上廻る時に出てきます。
 自社が人のために他社のためにしてさし上げたトータルが多い時だけに!!


                           代表社員 前原 幸夫     
posted by 前原幸夫 at 18:34| 今月の言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする