2017年07月04日

7月号の言葉!「宝石箱」

「宝石箱」

 山田方谷という人物を知ってからもう20年近くになります。当時はほとんど知られていなかったその名も今では全国的に評判となりご当地岡山では財界人を中心に山田方谷をより知ってもらおうとNHKの大河ドラマに取り上げてもらう100万人署名まで行われています。
 先日、私が親しくさせていただいているジュエリータナカの田中里味常務から「今、私山田方谷の本を書いているの」と衝撃の言葉を聞きました。
 田中さんは私より少し年下ですが、まさに才色兼備、美しさ、そして頭脳明晰、それでいて奥ゆかしい、女性の鏡のような人であり、又、方谷研究会や100万人署名の会「山田方谷さんを広める会」の世話人をされており、方谷に学ぶ経営者の代表的な方です。
 その方が今本を書いているということで楽しみにしていましたところ、今日(6月25日)田中さんよりその本をいただきました。
 題は『運命をひらく山田方谷の言葉50』というもので、致知出版社から出版されるとのことです。表紙には雲海に浮ぶ備中松山城、美しい写真が表紙を飾っています。驚いたのは推薦の言葉です。
 なんと、ノーベル生理学医学賞を受賞された北里大学特別栄誉教授の大村智さんの序文がまず最初に載っています。私は、すぐに大村教授がなぜ推薦の言葉を寄せているかを理解しました。

 2015年10月5日のノーベル賞を受賞した大村教授にNHKがインタビューを受け、それがテレビで放映されました。大村教授の後ろに「至誠惻怛」という色紙が掲げられており、私はハッとしたものです。「至誠惻怛」は山田方谷の座右の銘だったからです。
 大村教授も山田方谷に学び実践されているのかと興味を持ちました。
 「至誠惻怛」(しせいそくだつ)とは誠をつくし相手をいたわり思いやる心です。その心を持って事に臨めと方谷は説いています。越後の河井健之助が備中高梁で方谷に弟子入りし、郷里長岡へ帰るとき「はなむけ」の言葉として贈ったとも言われています。
 大村教授はなぜ至誠惻怛を飾ってNHKのインタビューに応じたのか(私は偶然おいてあったとは思っていません。)
大村教授も財政難から研究室の閉鎖を迫られ、その後北里研究所の所長として財政立て直しに取り組んでこられました。
 その時から山田方谷の藩政改革と相通じるところがあると感嘆し、「至誠惻怛」の心を研究及び研究所の基本に置いたと言います。(そしてノーベル賞です)
 大村教授をノーベル賞に導いたのは50年に亘る地道な研究はもちろんですが、その基礎にあった北里研究所の「実践の精神」と山田方谷の信条だったのです。

 大村教授は田中里味さんの本にこう書かれています。
 「本書は至誠惻怛をはじめ、心に響く山田方谷の言葉や詩が解説を交えて分かりやすく紹介されており、時々の心の持ち方、身の処し方に多大な影響を与えてくれるいわば言葉の宝箱といえよう」
田中里味さんが宝石店を営んでいるからこの文章になったのかもしれませんが、田中さんはいつもこう言われます。
 「なぜ私が山田方谷さんを学ぶのか、なぜ私がダイヤモンドを始めとする宝石を売るのか、それはどちらも本物だからです。どちらも長い年月をかけて磨かれたものだからです。」と。

 言い遅れましたが、この本は田中里味さん一人が著作者ではなく他に野島透さん、片山純一さんとの共著です。野島さんは山田方谷の6代目の直系の子孫であり、東京大学を卒業後現在の財務省に入省したエリート官僚であり方谷研究の第一人者です。
 又、片山純一さんは岡山県庁の職員として奉職し、現在は退職されていますが在職中は県庁のメンバーを中心とした「山田方谷に学ぶ会」のメンバーとして方谷の研究をされていた方です。
 「その当時、岡山県は最悪の財政状況でした。我々はこれを何とかしたい。そんな時、郷土に偉大な人物山田方谷が居たことを知りました。仕事が終わったあと皆が集まり方谷を学び岡山県の財政を立て直す報告書を作ったものです。」
 当時を振り返り片山さんはこう言います。
 野島透さん、片山純一さん、そして田中里味さんと異色の3人の共著であり、構成も山田方谷の言葉を50選びそれに解説を加えるといったもので、どこから読んでもどこを読んでも完結する形式になっています。
 開いたページに珠言の宝物と出くわすかもしれません。そういう意味では大村教授のいう色とりどりの宝石がつまった宝石箱です。

 野島透さんは、あと書きに、「方谷は貧しい家に生まれ、母を14才、父を15才で亡くしたけれども大志、夢を持って人生を切り開き多くの言葉や詩を残した。幕末から明治にかけて、大転換の時代方谷はいかに考え、いかに生きたか、その経験と知恵は必ずや現代を生きる人々にも多くの示唆を与えてくれるものと信じている。田中里味さんは経営者かつ女性の立場から、片山純一さんは専門家の視点から、そうすることで一人で書いたものよりも幅広い方々に読んでいただけると期待しています。この本を読んだ方が一つでもお氣に入りの言葉を見つけてくれれば望外の喜びである」と。

 宝石箱から氣に入った宝石がとり放題そんな本です。
 ぜひお読み下さい。

     
                         代表社員 前原 幸夫



posted by 前原幸夫 at 18:19| 今月の言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする