2017年11月01日

11月の言葉!「教育力」

「教育力」

 近年の教育の荒廃・世相の乱れは目を覆うばかりです。
いじめも教育の荒廃の象徴でしょうが、服装の乱れ、先生への暴力、親子関係の殺人、公共マナーの欠如、性の乱れ等、嘆かわしいかぎりです。
 教育力の低下が進んでいるといってもいいでしょう。教育の場としての空間の減少と、それを教える側の人間力低下があると考えます。

 教育の場は、昔(特に江戸時代)は家庭があり、地域があり、寺子屋や藩校という学校があり、士農工商全てが教育を施されていました。
 それぞれが上下の秩序を重んじ、ヨコの連帯感を養っていました。いざというときには藩(国)を守るために。

 しかし今、家庭は核家族、両親は生活にあくせくし、子どもの教育どころではありません。学校に任せっきりです。
 その学校は、先日も映像が流れていたように、生徒が先生を殴る蹴るの状態。先生は生徒に体罰が許されないことを生徒は知っているため、生徒はやりた
い放題です。

 地域も、昔はウルサイおじいさんやおばあさんがいて、口うるさく叱ったものですが、今や大人は無関心。見て見ぬふりや、関わりを持たないようにと疎遠な地域社会が形成されています。
 企業はというと、特に大企業はそんな教育などにはお構いなし。
歩合給的な売上至上主義、あるいは能力至上主義(教育しなくともいい人財は勝手に入ってきてふるいにかける仕組みですから)で、電通等に見られるように、人を人と思わない働かせ方で業績最優先の経営です。

 こういう状況の中、中小企業だけは違います。かけがえのない人財です。年に一人か二人しか入ってこない人財を、易々と辞めさせるわけにはいきません。
 しっかり教育し、素晴らしい人財に育て上げなければ、企業の存続発展はありません。
 そのためにはまず教える側の人間、すなわち社長が教育力を向上させることです。教育力を向上させるには、まず自らが学び、教育を受けることが必要です。謙虚に学び、自らの人間力を上げる必要があります。それが不可欠な理由は中小企業の特質からも見ることができます。
 大企業と比べ、中小企業には次のような特質があると思います。
 
1.連帯保証を社長は負う
無借金の中小企業は少ない中で借入を行うには、銀行は社長の連帯保証を要求してきます。
もし、会社がうまくいかなかったら、社長はその借金を負わなければなりません。家屋敷をかけ、時には  自らに生命保険をかけ、命がけで経営をしているのが、中小企業の社長です。

2.社長と社員が毎日顔を合わせる
トヨタの社長が、一工員と顔を合わせることなどまずあり得ません。
しかし中小企業は毎日顔を合わせます。
社長は2つの眼で社員を見ていますが、社員の側は10人なら20個、30人なら60個の眼で社長を見  ています。
社長はすべて、いつも見られています。それに耐えうる行動や立ち振る舞いが求められます。いつも社   員に面接されているようなものです。

3.誘因は社長
誘因とは、社員の労働意欲を駆り立てる誘発的要因、換言すれば、社員の眼の前にぶら下げるものです。
大企業に比べ給料やボーナスは低く、休暇もなかなか取れず、福利厚生施設もなく、老後の保障も少ない  のが中小企業です。でも社員には大企業に負けない働きを要求します。
では何をもって社員の勤労意欲を動機付けるのか、それは社長自らの存在です。
社長のような人間になりたい、社長のような人生を送りたいと思わせることです。社長と社員という関係  を師匠と弟子の関係にすることです。それには、社長の人間力の向上、素晴らしい人間力の醸成が不可欠  です。

4.商品の差別化
他社と何が違うのか。大企業にはそれぞれ特色ある商品、サービス、売り方、店舗等がありますが、中小  企業は売り物がほとんど差別化できていません。
  
 ではなぜ、お客様は当社を選ばれるのか。それは社長を買うのです。社員さんを買っていただいているの です。商品はどこで買っても一緒なのに、誰から買うかの差別化です。まさに人間力勝負です。
 中小企業かの特質から見ると、社長や社員の人間力が不可欠の要因となり人間教育こそがまさに生死の分 かれ目と言っても過言ではありません。
 社長が自らを教育し、自らの教育力を挙げ、社員の師となり、社員を教育し、お客様から選ばれる会社作りをしてゆかなければ、中小企業は生き残れないということです。

 また、今の世の中、家庭でも地域でも、学校でも大企業でもできない人間教育を中小企業が行ない、家庭を、地域を、そして日本を良くしてゆかなければならない教育機関としての機能も持たざるを得なくなっているということです。中小企業の人間教育で、企業の発展はもとより地域の発展にも寄与できることを確信して学んでゆきましょう。


                           代表社員 前原 幸夫
posted by 前原幸夫 at 12:00| 今月の言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする