2021年03月02日

3月の言葉!「春よ来い」

日本人はまじめで勤勉だというイメージが世界には定着しているといいます。外国でも長時間休みなく働くという点では、勤勉ともいえるでしょうが、日本人は質が違うと思います。日本人は一所懸命働くことが単なる金儲けのためだけではなく「仕事が自己実現の場」として捉え、職場が自分を磨く場、自己成長する場、そして自ら作り出す製品に心を込めお客様(それを使う人)に喜んでもらいたい、喜んでもらうことにより、作り甲斐を感じてゆける真に「匠の精神」がそこにあり、一種の信仰、祈りに近いものがあると思います。
その精神性は、古来縄文時代から弥生時代の米作りを経て、脈々と日本人の心の底に流れているものです。米作りは弥生時代からですが、それ以前も栗や果樹など自家栽培は行っており、定住生活(ムラの形成)を縄文時代もしてきました。
農耕という意味では日本人は何万年も農耕の民であり、自然と共に生きてきた民族です。自然と共に生きる上で大切なことは自然に学び、自然を生かす、自然を自らの生活に取り入れること、いや自らの生活を自然のあるままに、なすがままに受け入れてゆくものです。欧米のように1週間単位で日時を図り、人為的に休日を決め働きと休み(遊び)を分離して捉えるという習慣はありません。月の満ち欠けで日時を図り、月の満ち欠けによりやるべき作業を決め、雨が降れば家の中、雨が上がれば屋外で曜日など関係なく働き詰めでした。働くということと休む(遊ぶ)ということが一体統合された生活、遊動一致の生活がそこにあります。

明治5年(1872年)太陽暦が、明治9年(1876年)から七曜日が取り入れられ、土曜日は半休、日曜日は全体という制度が作られました。
1週間が7日というリズムは宇宙、自然のリズムではありません。
1週間が7日というリズムが良いなら、1ヶ月も30日とか31日ではなく、28日とか35日とかにしなければリズムは合いません。日本人のリズムは、自然のリズムは月の満ち欠けです。
新月から望月まで、そして次の新月まで約29.5日、月の満ち欠けのリズムで日本人は何万年も過ごしてきました。月の満ち欠けによってもたらされる潮の満ち引き、これによって漁業は生計を立ててきました。また満月という現象は、太陽と地球と月が一直線に並ぶことで、太陽や月の影を最も地球が受ける日でもあり、水分60%で出来ている人間の身体も、地球と同じように太陽や月(自然)の影響を受けやすいのです。事実、満月の夜は産婦人科の病院は緊張すると聞いたことがあります。



仕事をこなす上では月の満ち欠けは大切ですが、1ヶ月29.5日ですから、年によっては13ヶ月になる年もあり、大陰暦では季節の変化を捉えることはできません。これは太陽に求めるしかありません。地球は365日かけて太陽の周りを一周します。この一周を区切って季節を感じ、季節の変化を生活に生かしてきました。日本本来の暦は太陽暦でも大陰暦でもなく、その合わせもった大陰太陽暦です。
まず1年で一周する太陽を夏至と冬至の2至で2等分します。さらに、春分と秋分と「二分」し、4分割された中間に立春、立夏、立秋、立冬の「四立」を入れて八節に、一節は45日、これを15日ずつに3等分し「二十四節氣」とし、更にこれを5日ずつに3等分して、時候を表わすもの「七十二候」としました。

二十四節氣や七十二候は、毎年同じ時期に同じ節目が来るので、生活や作業の上で非常に便利なものであり、今も重宝されています。
しかも、そのネーミングが素晴らしいことに、感心させられます。我々の先祖がいかに自然を畏敬親愛していたかをうかがわせます。
農耕や漁業という仕事に心を込めるという日本人の勤勉さが、時の流れという自然の営みに対しても、心を注いでいたことを大切にしてゆこうと思います。以下、二十四節氣と七十二候をご紹介します。

◆◇◆七十二候◆◇◆

二十四節氣『立春(りっしゅん)』2月4日頃
 ・春風解凍(はるかぜこおりをとく)2月4日頃
 ・黄鶯晛院(うぐいすなく)2月9日頃
 ・魚上氷(うおこおりをいずる)2月14日頃
 二十四節氣『雨水(うすい)』2月19日頃
 ・土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)2月18日頃
 ・霞始靆(かすみはじめてたなびく)2月23日頃
 ・草木萌動(そうもくめばえいずる)2月28日頃
 二十四節氣『啓蟄(けいちつ)」3月6日頃
 ・蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)3月5日頃
 ・桃始笑(ももはじめてさく)3月10日頃
 ・菜虫化蝶(なむしちょうとなる)3月15日頃
 二十四節氣『春分(しゅんぶん)』3月21日頃
 ・雀始巣(すずめはじめてすくう)3月20日頃
 ・桜始開(さくらはじめてひらく)3月25日頃
 ・雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)3月30日頃
 二十四節氣『清明(せいめい)』4月15日頃
 ・玄鳥至(つばめきたる)4月5日頃
 ・鴻鴈北(こうがんかえる)4月10日頃
 ・虹始見(にじはじめてあらわる)4月15日頃
二十四節氣『穀雨(こくう)』4月20日頃
・葭始生(あしはじめてしょうず)4月20日頃
・霜止出苗(しもやみてなえいずる)4月25日頃
・牡丹華(ぼたんはなさく)4月30日頃

二十四節氣『立夏(りっか)』5月6日頃
・蛙始鳴(かわずはじめてなく)5月5日頃
・蚯蚓出(みみずいずる)5月10日頃
・竹笋生(たけのこしょうず)5月15日頃
二十四節氣『小満(しょうまん)』5月21日頃
・蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)5月21日頃
・紅花栄(べにばなさかう)5月26日頃
・麦秋至(むぎのときいたる)5月31日頃
二十四節氣『芒種(ぼうしゅ)』6月5日頃
・蟷螂生(かまきりしょうず)6月5日頃
・腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)6月10日頃
・梅子黄(うめのみきばむ)6月15日頃
二十四節氣『夏至(げし)』6月21日頃
・乃東枯(なつかれくさかるる)6月21日頃
・菖蒲華(あやめはなさく)6月26日頃
・半夏生(はんげしょうず)7月1日頃
二十四節氣『小暑(しょうしょ)』7月7日頃
・温風至(あつかぜいたる)7月7日頃
・蓮始開(はすはじめてひらく)7月12日頃
・鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)7月17日頃
二十四節氣『大暑(たいしょ)』7月23日頃
・桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)7月23日頃
・土潤溽暑(つちうるおうてあつし)7月28日頃
・大雨時行(たいうときどきふる)8月2日頃

二十四節氣『立秋(りっしゅう)』8月7日頃
・涼風至(すずかぜいたる)8月7日頃
・寒蝉鳴(ひぐらしなく)8月12日頃
・蒙霧升降(ふかききりまとう)8月17日頃
二十四節氣『処暑(しょしょ)』8月23日頃
・綿柎開(わたのはなしべひらく)8月23日頃
・天地始粛(てんちはじめてさむし)8月28日頃
・禾乃登(こくものすなわちみのる)9月2日頃
二十四節氣『白露(はくろ)』9月8日頃
・草露白(くさのつゆしろし)9月7日頃
・鶺鴒鳴(せきれいなく)9月12日頃
・玄鳥去(つばめさる)9月17日頃
二十四節氣『秋分(しゅうぶん)』9月23日頃
・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)9月23日頃
・蟄虫杯戸(むしかくれてとをふさぐ)9月28日頃
・水始涸(みずはじめてかるる)10月3日頃
二十四節氣『寒露(かんろ)』10月8日頃
・鴻鴈来(こうがんきたる)10月8日頃
・菊花開(きくのはなひらく)10月13日頃
・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)10月18日頃
二十四節氣『霜降(そうこう)』10月23日頃
・霜始降(しもはじめてふる)10月23日頃
・霎時施(こさめときどきふる)10月28日頃
・楓蔦黄(もみじつたきばむ)11月25日頃

二十四節氣『立冬(りっとう)』11月7日頃
・山茶始開(つばきはじめてひらく)11月7日頃
・地始凍(ちはじめてこおる)11月11日頃
・金盞香(きんせんかさく)11月17日頃
二十四節氣『小雪(しょうせつ)』11月22日頃
・虹蔵不見(にじかくれてみえず)11月22日頃
・朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)11月27日頃
・橘始黄(たちばなはじめてきばむ)12月2日頃
二十四節氣『大雪(たいせつ)』12月7日頃
・閉寒成冬(そらさむくふゆとなる)12月7日頃
・熊蟄穴(くまあなにこもる)12月12日頃
・鱖魚群(さけのうおむらがる)12月17日頃
二十四節氣『冬至(とうじ)』12月22日頃
・乃東生(なつかれくさしょうず)12月22日頃
・糜角解(さわしかのつのおつる)12月27日頃
・雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)1月1日頃
二十四節氣『小寒(しょうかん)』1月5日頃
・芹乃栄(せりすなわちさかう)1月5日頃
・水泉動(しみずあたたかをふくむ)1月10日頃
・雉始雊(きじはじめてなく)1月15日頃
二十四節氣『大寒(たいかん)』1月20日頃
・款冬華(ふきのはなさく)1月20日頃
・水沢腹堅(さわみずこおりつめる)1月25日頃
・鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)1月30日頃


代表社員 前原 幸夫
posted by 前原幸夫 at 15:46| 今月の言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする